7年目の中国短期調査ゼミナールは全期間オンラインで実施しました。これまでこのクラスで扱ってきた主要テーマの一つは、中国で進行するIT化による社会の変化でした。キャシュレス決済に始まり、シェアバイク、Eコマース、遠隔教育、信用格付け、監視社会と、様々な分野で疾走する中国を感じ取ろうとする試みを続けてきました。更にこの1年は、新型コロナ禍によってすら中国がそのベクトルを自信ありげに加速させる様子に触れてきました。他方、欧米は、グローバリゼーションとナショナリズムに翻弄され、民主主義と不平等の矛盾に引き裂かれたところをパンデミックに襲われて、迷走状態に陥っています。そして日本は目を閉じて静かに座っています。今、進むべき方向に迷いがないのは、地球上で、おそらく中国だけでしょう。学生たちのレポートはその空気を捉えているでしょうか?
(基礎ゼミ・中国調査担当特任講師 中川聞夫)
令和2年度中国短期海外調査報告書